中央フォーラムおよび戦争をさせない1000人委員会が「戦争法案の閣議決定」に対する抗議声明文を発出
掲載日:2015.05.15
5月14日に行われた戦争法案の閣議決定に対して、中央フォーラムと戦争をさせない1000人委員会がそれぞれ、声明を発出しました。
※以下、「抗議声明文」
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【声明】戦争法案の閣議決定を許さず、法案成立阻止のため全力で闘おう
2015年5月14日
フォーラム・平和・人権・環境
共同代表 福山 真劫
安倍自公政権は、5月14日の臨時閣議で、憲法違反の「平和安全法制整備法案」(戦争法案)を決定しました。
これは、昨年7月1日の閣議決定、今年4月27日の日米ガイドラインの再改定、29日の安倍首相の米国議会における演説の集大成というべき内容です。
日本の平和主義・憲法9条は最大の危機です。このままでは国の形が変わってしまいます。
私たちは、この法案の本質は、「集団的自衛権の合憲化」であり、戦後の国是であった、「平和主義」を基本とする憲法9条の破壊であり、具体的には、米国の軍事戦略の下、自衛隊が中東から東アジアまで戦争する国になるということであり、絶対反対であるとしてきました。
確かに、幾多の国内外の犠牲の上につくられた憲法9条は、時代の変遷とともに、自民党政権と米国政府の連携によって、空洞化をされ続けてきました。「非武装中立」が、警察予備隊の発足、自衛隊になり、日米安保条約が結ばれ、2度改定され、PKO法制定、日米ガイドライン決定、周辺事態法が制定と続きました。そして2000年代に入り、テロ特措法、イラク特措法制定と続きました。
そして、昨年7月1日の閣議決定か、「曲がりなりにも最後の歯止め」であった「専守防衛」が放棄され、「集団的自衛権行使の合憲化」が閣議決定されました。この閣議決定は、従来積み上げてきた憲法解釈を基本のところでひっくり返すものであり、内閣法制局長官経験者からも批判が続出しました。
いま、原発再稼働や沖縄への米軍新基地建設の強行なども並行してあり、安倍自公政権に対して、「憲法9条擁護・立憲主義擁護」の大きな運動が、全国で拡大をしようとしています。また国会の審議を経ずに、憲法違反の内容の「日米ガイドラインの再改定」を行ったこと、安倍首相が米議会で「この夏までに成就させます」などと演説したことは国会軽視、立憲主義無視、民主主義の無視の批判も高まっています。
安倍自公政権は、そうした世論を無視し、戦争法案を閣議決定し、15日には国会へ提出することとなります。法案は、「平和安全法制」といわれ、新法の自衛隊海外派兵の恒久法の「国際平和支援法」と武力攻撃事態法などの「平和安全法整備法」といわれる10の改正法案の2本立てとなっています。その改正法案の内訳は、「武力攻撃事態法案」、「重要事態影響法案」、「PKO協力法改正法案」、「自衛隊法改正法案」などです。
「戦争法案」は、「集団的自衛権行使の合憲化」を踏まえ、「武力攻撃事態改正案」の中で、「行使要件」として、「存立危機事態」を新設し、「密接な関係のある他国」が攻撃を受けた場合、「自衛隊の武力行使」が可能となっており、また「重要事態影響法案」では、「地理的概念をなくし、世界中に自衛隊を派遣できるようにし、後方支援の対象も、米軍以外の外国軍にも拡大するとしています。さらに「国際平和支援法案」では、他国軍を自衛隊が後方支援できるようにする恒久法であり、PKO法改正案も「自衛隊の武器使用の緩和」、「駆けつけ警護への拡大」などとなっています。
これらの法案は、量も多く、今後十分検討し、違憲性をさらに明らかにする必要がありますが、憲法9条の破壊であることは明らかであり、日本が9条を投げ捨て、「戦争する国」へと踏み出すことは明確です。平和フォーラムは、法案の本質を明らかにしていくと同時に、その成立を阻止するため、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」に結集して、憲法を守り平和をめざす、すべての勢力と連帯して、全力で闘いぬくことを宣言します。ともにがんばりましょう。
【声明】戦争法案の閣議決定を弾劾する
2015年5月14日
戦争をさせない1000人委員会
5月14日午後開催された臨時閣議において、「集団的自衛権」行使に踏み込むための10法案と外国軍の戦闘を支援するための1法案からなる戦争法案が、閣議決定されました。
私たち戦争をさせない1000人委員会は、「集団的自衛権」行使容認の閣議決定(昨年7月)の実体化に向けて行われてきた安倍政権の策動について、満腔の怒りをもって弾劾するとともに、戦争法案成立を阻止するためのたたかいに、全力でとりくむことを表明します。
「平和安全法制整備法案」などと言う、嘘に嘘を重ねた名称でごまかそうとしていますが、その内容が戦争加担のためのものであることは明らかです。自衛隊を、恣意的な判断基準によっていつでも、さらに地理的制約をとりはらってどこへでも、戦争参加させることができるようになります。
このことによって、いったい誰の「平和」が、誰の「安全」が、担保されるというのでしょうか? まずもって戦地に派遣される自衛隊員が攻撃対象になりかねません。そして、明確に戦争加担に踏み込んだこの日本そのものの立場が問われることでしょう。侵略戦争の果ての敗戦の後の70年間、平和憲法と安保体制の狭間で積み重ねたこの日本の歴史の総決算として、どの道を選択するのか。いままさに、重大な分岐点に至っているのです。
平和的外交手段の追求より、軍事的手段を優先するという転換こそが、むしろ危険な事態をもたらすのだという厳然たる事実には一切向き合うことなく、一貫して欺瞞の手口と議会内多数という優位によって事を成そうとする安倍政権は、このまま押し通すことができると考えているのでしょう。
しかし、それは大きな間違いです。いま、全国各地で、憲法破壊・人権破壊・生活破壊の安倍政権の暴虐に対する怒りが、大きくひろがりつつあります。3万を超える人びとが参加した「5・3憲法集会」を思い起こして下さい。
人びとが手をとりあい、ともに怒りの声を上げたならば、社会全体を揺り動かすことは可能です。議会内でがんばる野党の皆さんとも協力しながらも、議会外の私たち一人ひとりが、徹底的に力を尽くしてがんばるべきときがやってきたことを、ここで確認したいと思います。
「戦争をさせない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」がこれからの行動を提起しています。戦争をさせない1000人委員会はその一翼を担い、たたかいぬく決意です。全国の皆さん! 子どもや孫の世代、そしてほかならぬ私たち自身の平和な未来をつくるために、いまこそ、ともにがんばりましょう!