働くものの底上げ、ボトムアップにむけ全力あげる=2014連合北海道・新年交礼会

掲載日:2014.01.09

1月7日、札幌市・京王プラザホテルで2014年連合北海道新年交礼会が開かれ、450人が参加した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工藤連合北海道会長

工藤連合北海道会長ははじめに、「新春を迎え2013年が皆さんにとって、実りの多い年となるよう祈る」と述べた。

労働者を取り巻く状況について「アベノミクスで、社会を覆う気分は何となく右肩上がりとなっているように見えるが、日本全体を見れば、地方をはじめ実態は伝搬しておらず厳しく、働く者にとっては家計が圧迫され貧困の拡大と固定化が進んでいる。2000万人を超える非正規労働者の増大と、働く者の7割を占める中小企業の労働者の賃金低下、1100万人に迫る年収200万円以下のいわゆるワーキングプアの問題は、雇用や労働の問題の範疇を超え、もはや社会問題化している。私たちは社会的に広がりのある運動を展開し、安心社会を実現しなければならない。働く者の声を結集して世論を喚起し、組織の総力を挙げて取り組みを展開するとともに、社会的なうねりを創り、社会を変える大きな力としていく年にしたい」と強調した。

2013春季生活闘争については、「働く者の暮らしの底上げ、格差是正をはかり、デフレ経済の悪循環を断ち切らなければならない。労組の存在意義と力量問われるたたかいだ」と述べた。また、「すべての組合が月例賃金の引き上げ、すなわち1%以上のベースアップにこだわることで、社会的相場を形成し、未組織労働者の賃金にも波及させることが、賃金デフレから脱却するカギを握っている」と強調した。さらに「日本株式会社のトップが賃上げをと言われているが、その原資として復興法人特別税を一年前倒しで廃しし、あたかも税金を原資として賃上げをすると言う様な、理屈はまさに邪道だ」と指摘した。その上で、「要求の組み立て・要求提出・交渉・報告・妥結・配分交渉に至る、労働組合としての自らの営みが極めて重要。要求を組み立てなければ、スタートしない。粘り強いマクロ・ミクロの交渉を積み重ね、社会的賃金決定メカニズムの歯車を回して、働く者の底上げ・ボトムアップに向け全力をあげよう」とよびかけた。

政治課題については、「昨年以降、雇用・労働に関わる規制緩和の動きなど、再び政策の方向性が旧来の手法に戻りつつあり、加えて年末の特定秘密保護法案の強行採決に象徴される『横暴極まりない、決める政治』をもたらしている」と強調した上で、「二年目を迎えた現政権は、馬脚を現し、『衣がはげ落ち、鎧を着た政権』であることが明確になった。平和主義と民主主義の価値が危機を迎えようとしており、働くものが人たるに値する生活を営むためのワークルールを『岩盤規制』と非難し、労働法制の緩和は成長戦略の本丸だといった主張は言語道断だ。働く者の声を結集して世論を喚起し、組織の総力を挙げて取り組むこととします」と批判した。また、第18回統一自治体選挙にむけて「北海道政権戦略会議の議論経過を踏まえ、『第18回統一自治体選挙基本構想』『新しい北海道知事像アンケート』を実施している。これらの集約をもって組織的意思統一をはかり、『新しい道政への転換』にむけた営みを、更に加速していく。私たちは『新たな知事候補の擁立』をはじめとして、道都札幌『上田市政の継承・発展』をめざし、『夢と希望の持てる北海道の確立』に向けて、全力をあげる」と述べた。

最後に、「私たちが取り組むことは、地域社会・職場の意識を喚起し、その力を結集し、労働分野の規制緩和をはじめとする社会的な不条理に毅然と向き合うことだ。理念と行動が噛み合った運動を再起動させ、安心社会への道筋を見出していくことが私たちに課せられた役割と使命だ。全力で頑張る」と述べあいさつした。

 

引き続き、民主党北海道代表・横路孝弘衆議院議員、山谷北海道副知事、上田文雄札幌市長が来賓としてあいさつした。

横路孝弘衆議院議員

横路衆議院議員は、「昨年での参議院選挙で小川必勝のために全道各地の支援に感謝。2014年はたくさんの大きな不安とともに迎えた年だ。安倍政権は公約で日本をビジネスがしやすい国にすると発言して、ホワイトカラーエグゼンプションや労働者派遣法の全面的見直しを打ち出した。正社員を減らそうとしている。今年の大きな課題だ。いつの時代も働く仕事があって一生懸命仕事をすれば、その収入で生活できるのが社会の基本。しかし、その基本がますます危うくなってきている。給与の発展も人を大事にしなければ経済発展はない。働く人をもっと大事にしていく社会にむけて。ともに頑張る」と述べた。

さらに、「外交・安全保障分野で防衛予算が今年も5兆円に増額された。自衛隊員5000人の増員も打ち出している。また、北朝鮮や韓国を『敵』という言葉で表現している。戦後初めてのこと。マスコミもそういう記事を書いており、ヘイトスピーチが日本全体を覆っている。戦前と同じような状況。安倍政権のやろうとしていることには十分な監視が必要だ。日本は戦争の総括をしていない。だから靖国参拝に対する他国との認識の違いが出ている。いま歴史の分岐点にたっている。大事な一年になる。国民の支持が必要、大衆運動と連携して厳しい年だが力を合わせて平和で民主的な社会をつくっていこう」と訴えた。

 

 

上田文雄札幌市長

上田文雄札幌市長は「昨年1年でいろんなことを変えられてしまった感覚。特に特定秘密保護法は私たちが最も大事にしないとならない民主主義の根幹をえぐるもの。例外なき言論の自由を認めたのが現憲法。なぜ戦争を止められなかったのか、なぜ戦争に突入してしまったのかという深い反省のもとに、しっかりとした言論統制を示している。そこが明治憲法と違うところだともう一度認識しなければならない。戦前の帝国憲法29条の言論の自由は、法律の範囲内ということが書かれている。従って法律で定めれば言論統制できるものだったが、そうではなく、現憲法21条はまったくの自由、二度と戦争を起こさないことを保証したものが民主主義の根本原理。それを変えることは憲法改正に等しい行為。特定秘密保護法を審議することは国民投票が必要なほど大事なものだった。これが短期間で決められたことに憤りを感じる。これからやることは民主主義を守ること。これまでたたかってきたみなさんがますます感覚を研ぎ澄まして自らたたかう必要がある」と述べた。

最後に、「札幌市は、少子高齢化が急速に迫ってきている。生産労働人口の減少に対して、働きやすい場所をつくるため戦略ビジョンをつくった。みなさんの支援で方針を決めた。公契約条例は1票差で秘訣されたが、知恵を集めて労働者の試験を反映できる市政を運営していく」と述べあいさつした。

 

その後、北海道議会・木村峰行副議長が乾杯を行った。

木村峰行道議