北海道平和運動フォーラムが「日米ガイドライン改定」に対する抗議声明を発出

掲載日:2015.04.28

北海道平和運動フォーラムは、4月27日にワシントンで開かれた「外務・防衛担当閣僚会合(2+2)」おいて合意された、「日米防衛協力指針(ガイドライン)の改定」に対して、「抗議声明」を発出しました。

あわせて、中央フォーラムも声明を発出しました。

※以下、「抗議声明文」

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「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」

 改定に対する抗議声明

 

日米両政府は27日午前(日本時間28日未明)、ニューヨークで外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を開催し、自衛隊と米軍との役割と協力の在り方を定めた「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」について18年ぶりの改定に合意した。日本が「集団的自衛権」を行使する場合の協力内容を盛り込むとともに、自衛隊による米軍の後方支援を日本周辺に制限していたものを、地球規模に拡大するなど、従来の日米防衛協力の枠組みを大きく超えた内容である。

現行のガイドラインでは、①日本が武力攻撃を受けた際の「有事」、②朝鮮半島有事を想定した「周辺事態」③「平時」の3分類で日米の役割分担を決めていた。

しかし今回の新たなガイドラインは①武力攻撃に至らない「グレーゾーン事態」を含む平時②日本の平和と安全に重要な影響を与える事態(重要影響事態)③日本が武力攻撃を受ける状況(武力攻撃事態)④日本以外の国に対する武力攻撃に集団的自衛権を行使(存立危機事態)⑤日本での大規模災害への対処協力の5分類である。このことから、時の政府が「日本の平和と安全に重要な影響がある」と判断すれば、自衛隊は世界中どこでも米軍を支援し、武器・弾薬の提供も可能とするなど、支援内容も大幅に拡充している。

また政府は、「集団的自衛権」を行使するための「安全保障関連法案」を5月中旬以降に国会に提出しようとしている。しかし国会で審議する前に、米国と「ガイドライン」を合意して、「集団的自衛権」の行使を既成事実化したことは国会軽視・国民無視の安倍政権のさらなる暴挙であり、到底許されるものではない。さらに政府は「集団的自衛権」の行使を可能とするための「自衛隊法」の改正や、自衛隊が他国軍をいつでも後方支援できるようにする「国際平和支援法(恒久法)」などの今国会での成立を強行しようとしている。憲法の平和主義と日本の安全保障を根本から転換するものであることから、全力で成立を阻止しなければならない。

北海道平和運動フォーラム・戦争をさせない北海道委員会は、自衛隊を「いつでも」「どこでも」派遣し、「だれとでも」武力行使する「戦争関連法案」の成立を阻止するため、「5.23戦争をさせない北海道講演会」や「6.19戦争をさせない北海道シンポジウム」「6.20戦争をさせない北海道大集会」を開催するなど道民世論をさらに喚起し、「戦争をする国づくり」を許さないあらゆる運動を展開していく。

 

2015年4月28日

北海道平和運動フォーラム

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日米防衛指針の再改定を糾弾する

    2015年4月28日

フォーラム平和・人権・環境

共同代表 福 山 真 劫

日米両政府は4月27日、外務防衛閣僚会議(2プラス2)を開催し、日米防衛協力の指針(ガイドライン)の再改定に合意しました。

この内容は、「Ⅰ.防衛協力と指針の目的」、「Ⅳ.日本の平和及び安全の切れ目のない確保」など8項目からなっており、いずれも自衛隊の軍事的役割の強化と日米の軍事同盟体制の強化に踏み出す内容です。とりわけⅤ項の「地域の及びグローバルな平和と安全のための協力」では、「日米両国は」、「アジア太平洋地域」「これを超えた地域」の「平和、安全、安定及び経済的な繁栄」のため「パートナーと協力しつつ主導的役割を果たす」と書き込み、具体的な項目として、平和維持活動、海洋の安全保障、後方支援などと並んでいます。

そしてこの本質は、自公政権が憲法を無視し、進めてきた昨年の7月1日「集団的自衛権行使の合憲」の「閣議決定」、10月の「地域の及びグローバルな平和と安全のための協力」をめざしての「ガイドラインの中間報告」、3月の「与党合意」を踏まえたものであり、それは、米国政府が、日本政府に求め続けてきた「集団的自衛権の合憲化」・「自衛隊が米国政府の軍事戦略のもと、中東から東アジアまで米軍と連携して闘う体制を確立する」ことにふみだすための再改定であることは明白です。

私たちは、集団的自衛権行使合憲化の閣議決定は、「立憲主義の否定」だとして、批判をしてきました。その上に今回は、国会審議も経ず、戦争関連法も国会に未提出であり、国民、国会無視の民主主義の否定であるばかりか、国会承認の必要のない「行政協定」合意を理由に、国会での「戦争関連法案」の強行突破を図ろうとする意図すら見えてきます。

日米ガイドラインの再改定と戦争関連法案は戦後70年日本政府が守ってきた「憲法9条」の最後の歯止めの「専守防衛」政策を投げ捨て、日本が戦争する国・軍事大国化へ踏み出すことです。「日米安保条約」すら超える内容になっています。

また同時に発表した日米共同文書では、オール沖縄で反対している普天間飛行場の辺野古への移設が「唯一の解決策」としています。

私たちは、ガイドライン再改定と日米共同文書を絶対許せません。満腔の怒りを込めて糾弾します。私たちの国、日本は、歴史の曲がり角に立たされています。平和と民主主義の戦後最大の危機です。日本国憲法に何と書いてあるのか。前文に「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」「平和のうちに生存すること確認」、9条に「戦争と武力による威嚇又は行使は」、「永久に放棄」、「戦力は保持しない」「交戦権はこれを認めない」と書いています。私たちはこうした世界に誇るべき憲法を持っているのです。この憲法を未来に責任をもって、引き継ぎましょう。

こうした安倍自公政権の暴走を、国民の多数派は支持していません。憲法違反の日米ガイドライン撤回、戦争関連法案阻止に向け、戦争させない1000人委員会、総がかり行動実行委員会に結集して、全力で闘いましょう。安倍自公政権の政策転換と退陣を勝ち取りましょう。