欧州軍縮会議での「高校生平和大使」演説見送りに抗議する談話(連合北海道)

掲載日:2017.08.22

 連合北海道は、核兵器廃絶と若い世代への運動の継承・発展を目的に北海道から高校生平和大使の派遣をめざして、実行委員会を組織し、取り組みを進めてきました。

 自治労北海道も、高校生の取り組みを側面から支援していくために、署名およびカンパの取り組みをおこなってきました。また、実行委員会に幹事を派遣し、欧州国連本部への派遣、広島結団式やナガサキ平和集会、札幌や室蘭での高校生一万人署名活動の支援をしてきました。

 しかし、2015年からおこなわれていた高校生平和大使による国連軍縮会議でのスピーチが、今年は見送られたとの報道がされました。これは、日本政府が署名しない「核兵器禁止条約」に関して、高校生平和大使がスピーチで言及することに対し懸念した結果とされています。
 このようなことから、連合北海道が「欧州軍縮会議での『高校生平和大使』演説見送りに抗議する談話」を発出しましたのでお知らせいたします。


2017年8月22日

欧州軍縮会議での「高校生平和大使」演説見送りに抗議する談話

日本労働組合総連合会北海道連合会

事務局長 杉 山 元

 ジュネーブ軍縮会議で核兵器廃絶を世界に訴えてきた「高校生平和大使」の演説が、本年は見送られたと報道された。
 その理由は、本年7月に採択された核兵器禁止条約について高校生平和大使が「共感」を示しており、「日本政府が署名しないと明言する条約について演説で言及されることを懸念した」とされている。

 その通りであるならば、日本政府・外務省の見識を疑う。厳重に抗議する。
 高校生平和大使の軍縮会議での演説に対し、各国の大使がステートメント(声明)を発表し、その認知度・重要度が増しているのは、唯一の戦争被爆国である日本の10代の高校生が、何ものにも左右されず、自分たちが考えた核兵器廃絶に関する思いや、平和に対する意見を自由に述べるからであり、その立場を「日本国政府」が保障しているからである。
 日本国政府の主張を、そのまま述べる、あるいは何も述べないのであれば、誰も耳を傾けない。

「北海道高校生平和大使派遣実行委員会」(連合北海道・北海道退職者連合)は、今年も北海道から二人の高校生平和大使を選出した。
 今年選出された高校生平和大使は、札幌市や室蘭市などで街頭署名を行い、軍縮会議などでの演説を想定して英語力を鍛え、北海道各地から頂いた約9万筆の署名を携えて、第20代高校生平和大使22人の一員として、ジュネーブにある国連欧州本部軍縮会議に赴いている。

 各国政府、政府と市民社会、そして個人と個人は、意見の違いがあって当たり前であり、それを認めて自由に主張し、より良い方向へと議論を深めること、それを保障することが「民主主義」である。
 日本国政府のジュネーブ軍縮会議で核兵器廃絶を世界に訴える「高校生平和大使」の演説の見送りに、厳重に抗議する。

以上

 

欧州軍縮会議での「高校生平和大使」演説見送りに抗議する談話(連合北海道)

欧州軍縮会議での「高校生平和大使」演説見送りに抗議する談話(連合北海道)

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