自治労本部が「安倍晋三首相の靖国神社参拝に抗議する自治労書記長談話」を発出

掲載日:2014.01.06

自治労本部は、「安倍晋三首相の靖国神社参拝に抗議する自治労書記長談話」を発出しましたのでお知らせいたします。

以下、自治労書記長談話

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安倍晋三首相の靖国神社参拝に抗議する談話

 

2013年12月26日、安倍晋三首相は靖国神社に参拝した。自治労は、安倍首相の靖国神社参拝は、侵略戦争の歴史を反省することのないまま、中国・韓国を始めとする関係諸国との緊張関係をいたずらに煽るもので容認できない。強く抗議するものである。

この安倍晋三首相の靖国神社参拝について、中国外務省は談話で強烈な抗議を表明し、厳しく非難すると述べた。韓国政府も強く抗議するとともに、日韓関係の悪化は日本政府の責任であるとしている。

また、米国政府は、在日大使館を通じ、「日本は大切な同盟国であり友人だ。それでも米国は日本の指導者が日本の近隣諸国との緊張を悪化させる行動を取ったことに失望している」とする異例の声明を発表した。

国際的にも安倍首相の靖国参拝は、批判されており、日中友好議員連盟の訪中団の中国での日程はすべてキャンセルとなるなど、民間交流も含めた外交関係への悪影響は必至である。

この間、安倍首相は、今春の靖国神社例大祭の際に、麻生副総理以下4閣僚及び168人の国会議員が参拝したことでアジア諸国からの批判されたことに対して、「我が国の閣僚はどんな脅しにも屈しない」と発言した。

また、侵略戦争についての国会答弁において「侵略という定義は国際的にも定まっていない。どちらの国から見るかで違う」とし、日本が犯した侵略戦争の過ちを否定するかのような発言を行っている。

さらに、8月15日の全国戦没者追悼式の式辞においても、歴代首相が言及してきた侵略戦争における加害責任に対する反省や哀悼の言葉を省略した。

これらに対して、国連のパンギムン(潘基文)事務総長が「日本政府や政治指導者は、とても深く自らを省みて、国際的で未来志向のビジョンを持つことが必要だ」と述べ、日韓における歴史認識問題に対して日本側の対応を非難したように、安倍首相の歴史認識には、世界からも懸念が示されている

現在、日本と中国・韓国は、経済的・文化的に分かちがたい関係にあるにもかかわらず、領土問題や歴史認識をめぐって対立的関係に陥っている。この関係の修復を図るのではなく、いたずらに緊張関係を煽ることは看過できない

今回の安倍首相の靖国神社参拝は、首相個人の自己満足にとどまらず、2014年以降の、解釈改憲のもとの集団的自衛権の行使容認等の動きと一体のものである。自治労は、侵略戦争と植民地支配の歴史の反省に立ち、アジア諸国民が納得する歴史認識と戦後責任を明確にしていくことを強く求める。さらに、特定秘密保護法の廃止、国家安全保障基本法案阻止、憲法改悪を許さないたたかいを力強く推し進める。

2013年12月27日

全日本自治団体労働組合

書記長  川本 淳