『憲法9条を尊重する』ことが政治を動かす=平和憲法を守り教育を創る全道集会
掲載日:2015.02.05
1月31日、ホテルポールスター札幌で「民主教育をすすめる道民連合結成40種年記念『平和憲法を守り教育を創る全道集会』が開かれ、350人が参加した。
主催者を代表して、結城洋一郎会長が、「パネルディスカッションに参加する5人は、教育問題に関連して、活動してきた。今年は道民連合が創立されて40周年を迎える。今私たちが考えること、なすべきことを議論し、今後の指針を確立していく。札幌在住のミュージシャンAsahiさんは、卒業式の『君が代』斉唱の時に、一人だけ起立しなかった。理由は『歌詞の意味が分からなければ歌えない』からだ。私たちも見習うべきだ」と呼びかけた。
また、「今年は戦後70周年にあたる。今の日本は戦後ではなく、戦争前夜のようだ。今後国民生活はさらに厳しくなり、教育に携わるものに対し権力的構成は一層強化される。自分たちの住む日本にどんな危険が迫っているのか、どうすれば変えることができるのかみんなで考えよう。そうすれば日はまた昇ることになる」述べた。
次に、Asahiさんがミニライブ「愛と平和を-日はまた昇る-」を行った。
つづいて、「平和憲法を守り教育を創る道民運動を進めるために-私たちが考えること・できること」と題し、パネルディスカッションが行われた。
コーディネーターは道民連合副会長・大原 久さん。パネラーには浦河町議会議員・飯田美和子さん、北星学園大学教授・岩本一郎さん、ℐ女性会議・中島寛子さん、平和と教育と暮らしを守る美唄集会代表・米田良克さんらが参加した。
飯田町議は、「浦河町は少子化が進み、学校が統合になっている。子どものケア、地域の過疎化が問題だ。君が代を強制的に歌わせるのは生徒を冒瀆している。教育の場でもできることがあるのではないか。学校は『教育の管理と強制』という『監視の下での教育』ではなく、『子どもたちの成長を喜び合える学びの場』とするべきだ。教育は大人たちのものでなく、子どもたちのもので、将来の日本を担う子どもたちを創る教育となってほしい。今後もおかしいと思っていることに対して声を出し続けていく」と述べた。
岩本教授は、「国民と子どもたちを個人として尊重しなければならない社会をつくらなければならない。国民や子どもを国家や大企業の利益や存続をはかるための『働く道具』にしてはいけない。個人を尊重するのは憲法の大原則であり、憲法13条は『すべての国民が個人として尊重する』としている。生命、幸福追求に対する権利が国政の上で最大限尊重されなければならないが、教育基本法の学習指導要領は、国家や大企業に都合のいい子どもとして、人材として育てようとするものだ。批判をしていかなければならない」と強調した。
さらに、「道徳の教科は、『日の丸・君が代との共生』につながっている。国と郷土を愛する心をや愛国心を養うため、日の丸・君が代に敬意を払うことを道徳の中心に据えようとしている。教師が模範解答をしめし、それにもとづき回答する道徳であってはならない」と強調したうえで、「安倍政権は、立憲主義を破壊し日本国憲法の改正を行おうとしている。憲法を疑い尊重しない政権は今までなかった。国民が憲法に対する尊重の念を失ってはいけない。尊重に値するのは憲法の平和主義である憲法9条であり、これを失えば大変なことになる。国民が政治を動かしていくためにも、憲法を改正させてはならない。これを骨子とする集団的自衛権行使も絶対に認めてはならない」と呼びかけた。
中島さんは、「朝鮮学校と日本の学校となぜ差別されるのか疑問に思っている。各種学校とされ補助金などがない状況だ。授業料無料化が朝鮮学校だけがなっていない。外交となっていないことが理由となっているが政治的外交問題であり教育問題ではない。教育を受ける権利はどんな人でも等しくあるべきだ。教師も生徒も安心して教育できるような環境にするべきだ。集団的自衛権行使について法案が提出されるが、断固反対して、撤回させる。差別を許さない、人権を守るという視点で運動をしていく」と述べた。
米田さんは、「第2次安倍内閣以降いろいろな問題が発生している。みなさんに知ってもらうために、新聞の読者の声に投書している。昨年12月には集団的自衛権問題などについて投書した。また、いろいろな問題に対して集会を行うことが必要だ」と述べた。
最後に大原さんが、「40年前も今も必要で非常に厳しい平和憲法と民主教育の攻撃は今後も続く。今集会で学んだものを職場や地域の活動に生かしていこう。思いを同じとする仲間と『日はまた昇る』と信じ合って、運動を続けていこう」。と呼びかけた。
その後、各地からの報告を行った。
長沼町教育を語る会・齊藤伸一さんは、「長沼町の中学校が3校から1校に統合された。小学校も2年後に1校に統合される予定。一般の人は統合はやむを得ないといっているが、学生の負担を考えるべきだ。学校の現状では、学力の向上の取り組みとなっている。しかし、学校はゆとりがあって楽しく明るいものでなければならない。詰込み型の授業で子どもたちは学びから遠ざかっていて、逃げ場がなくなっている。土曜授業が行われることとなった。問題点はいろいろあるのでどう解決していくかが必要」と報告した。
子どもたちの未来を考える十勝連絡会・佐竹良将さんは、「子どもとかかわるときに『何々しなさい』と押し付けてはいけない。学校現場には文科省、道教委から『何々しなさい』といわれることが増えてきている。学校は一方的な価値観をつけるのではなく、さまざまな情報を伝え判断をしていく場だ。常に子どもの権利の理念を大切にして、子どもとしっかり向き合うことで学校は変わっていく。職員のみなさん、下を向かず情報交換をしてつながりながら、子どもたちのために自分の想いを伝え一歩でも前に進み「平和のまち」を創ろう」と報告した。