いつまで拘束するつもりだ。沖縄平和運動センターの山城博治議長ら高江や辺野古における基地建設に反対し行動する人たちが、傷害・公務執行妨害・器物破損などの取るに足らない微罪をでっち上げ、不当にも長期にわたって拘束されている。沖縄県民の願いである辺野古新基地建設反対の運動を萎縮させ、抗議行動と一般県民の分断を図ろうとするものであり、かつ、沖縄県と国が法律に則った裁判で争う基地建設に、国の立場に立って警察・司法が荷担するという憲法理念にも反する暴挙だと言わざるを得ない。
さらに11月29日には、キャンプシュワブ入口においてブロックを積み上げたとする「威力業務妨害」という新たな罪状をでっち上げ、山城議長の再逮捕を含め4人を逮捕し、沖縄平和運動センターや辺野古の市民テントなどを強制捜査した。そもそもブロックの積み上げは、警察の監視下、警備態勢を敷かれたなかで、行われた行為であり、しかも、その後直ちに警察がブロックの撤去を行なっている。威力業務妨害罪の適用の要件を満たしているとは考えられない。10か月を経過した後の関係者の逮捕には、再開がもくろまれている辺野古新基地建設工事を、迅速かつスムーズに行おうとする計画的な意図があるとしか思われない。
この間、海上や陸上での抗議行動では、抗議する市民に対する暴力的ともいえる排除が行われてきた。実際に肋骨を折られ、生命の危険を感じるような行為を受けた市民は多数いる。しかし警察官や海上保安官の処罰や謝罪は一切無い。警察権力の行使のはじめから、市民は犯罪者扱いされ敵視されている。
旧憲法下での警察は、特高警察に象徴されるように、治安維持法などを利用した思想弾圧を行い、市民社会の政府への批判を押さえ込んだ。戦後、基本的人権の尊重と民主主義、国民主権を基本とする日本国憲法の下、民主的な公安委員会制度を確立し、人権と民主主義を守り、犯罪から国民の安全を確保する市民の警察に生まれ変わったのではなかったか。高江や辺野古の政府側に立った警察の行動は、警察法が規定する「公正中立」の原則に反し、市民が政府に向かって物言えぬ戦前の社会を再来させる、立憲主義をも崩壊させる蛮行である。
沖縄県民は、選挙のたびに辺野古新基地建設に反対の声を上げ続け、そして勝利を重ねてきた。基地建設を強要している政権与党は、国政での沖縄選挙区からは一切排除されている。その意味を、沖縄県警はしっかりと把握し行動しなくてはならない。そして、警察は法の下に常に公正中立でなくてはならない。
平和フォーラムは、山城博治沖縄平和運動センター議長ほか拘留している全員を、即時釈放することを強く求める。加えて、権力に屈せず沖縄県民とともに基地のない平和な沖縄のために闘い続ける。
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